小楢山(1713m)                                         
2001年9月15日(土)     タクシー  →徒歩
塩山駅焼山峠→小楢山→小楢峠→父・母恋し道分岐→オーチャードヴィレッジ・フフ→ブドウ園
山駅
歩程:3時間50分(コースタイム)
参考図書:「どこでもアウトドア 関東の山歩き100選」昭文社


JR中央本線塩山駅からタクシーで50分ほどで焼山峠へ。地蔵一体を持ち帰り、子が授かったら、新しい
地蔵とともに返すという子授け地蔵を見て、登山道に入る。地蔵は新しいものもあった。最近でも利用者
がいるというわけか。しかし、古びた地蔵を持ち帰るのは不気味だ。登山道はなだらかな登りだった。ア
キノキリンソウ、カメバヒキオコシなどの花が咲いていた。しばらく歩くとミドリヒョウモンの雌とご対面。も
う花の終わってしまったヒヨドリバナやクガイソウがあった。ヒヨドリバナがたくさんあるということは、もう
少し早くくれば、アサギマダラにも会えたかな、などと思いながら歩く。林床にはオクモミジハグマが咲い
ていた。

                    
     アキノキリンソウ        カメバヒキオコシ           ミドリヒョウモン♀          オクモミジハグマ

的岩という大きな岩を見てしばらく歩くと一杯水に到着。ガイドブックに水は涸れていると書かれていた
が、本当にただの水溜りのようになっていた。

また、しばらく歩くと足元にクチベニタケが生えていた。さらに歩いていくとマツムシソウがまだ咲いてい
た。なかなか綺麗である。ヤマハハコもたくさん咲いていた。小楢山の手前に開けた草原があり、マツム
シソウやアザミの蜜をチョウたちが吸っていた。なんとクジャクチョウもいるではないか。さっそく一眼レフ
のレンズを300mmに交換する。しかし、タイミングが合わず、綺麗に羽を開いてくれない。私が右往左
往しているうちに同行者の何人かが近くに留まったクジャクチョウをデジカメで接写していた。「300mm
レンズなんて必要ないじゃん。くやしいなー。」と思いつつ、デジカメに持ち替えて撮影する。納得する画
像が撮れなかったが、あきらめて小楢山山頂へ。クジャクチョウのいた場所は山頂から近かったので、
昼食を食べ終わるとすぐにまた撮影にチャレンジした。デジカメでなかなか綺麗に撮影でき、満足でき
た。クジャクチョウは去年の御坂黒岳で一眼レフが無かったために撮り損ねたので、撮れて本当に良か
った。しかも接写できる距離まで近づけたし。クジャクチョウの近くにいたキタテハも撮影でき、満足、満
足。

                                          
                 クチベニタケ                       マツムシソウ                        クジャクチョウ                         キタテハ

小楢山山頂を出発し、小楢峠の方に下山。さっそくきれいなベニテングタケを発見。傘がうすい赤色のイ
グチの仲間も生えていた。他には下記の写真のようなきのこたちが登山道脇に生えていた。名前の分
かるのは食べられないきのこばかりなのが悲しい。

                                                       
                         ベニテングタケ                              イグチ科の一種                                   キノコA  

                                                       
                        キノコB                                         キノコC                                         キノコD

下りの道は急な岩場で滑りやすかったが、岩が苔むしていていい感じだった。シロヨメナ、ノブキ、フシグ
ロセンノウ、キバナアキギリ、セキヤノアキチョウジ、ツリフネソウなどを見ながら下った。途中、カラマツ
が切り倒され、重機が入り林道の工事が行われていた。父・母恋し道の分岐はちょうど工事中の場所に
あったらしい。

                                                       
                           下りの岩場                                       ノブキ                                    フシグロセンノウ

                                                      
                        キバナアキギリ                           セキヤノアキチョウジ                            ツリフネソウ

林道沿いを歩いているとコナラやクヌギの実が枝ごと落ちている。これはもしやと思い、拾い上げてみる
と、どんぐりの殻斗(袴)に穴が開いている。ちょうど一週間前の観察会で習ってきたばかりなのだが、コ
ナラの場合は、コナラシギゾウムシまたはハイイロチョッキリという昆虫が穴を開け、卵を産みつけた跡
なのだ。クヌギにはクヌギシギゾウムシというのが付くらしい。これらの虫は細長い口でどんぐりに穴を開
けて産卵管をその穴に挿し込み、卵を産んだ後、どんぐりの付いた枝を切り落とす。幼虫はどんぐりの
中身を食べて成長し、土に潜ってさなぎになる。その年に成虫になるものとそのまま越冬するものがい
るそうだ。

私が学生の頃、部屋にあった発泡スチロールからカサコソと音がするので、見てみると発砲スチロール
には穴が開いており、その中から丸まるとした白い幼虫が出てきたことがある。近くには拾ってきたクヌ
ギの実があり、実には穴が開いていた。どうやらそのクヌギの実の中から出てきたらしかった。今思う
と、その幼虫は発砲スチロールを土代わりにして潜ったということが分かった。クヌギだったからクヌギシ
ギゾウムシだったのかなー。

林道を少し歩いて、オーチャードウィレッジ・フフに到着。食事、宿泊ができる町営の施設らしい。ブドウ
も売っていた。

帰りのブドウ狩りをどこでしようかと話しながら、さらに林道を歩いていると、ブドウ園のおじさんが呼び込
みをしていた。ここならキロ800円で下に行くほど高くなって下では一律1,200円だと言う。なぜそこが安い
のかというと、ブドウ狩り農園ではなくブドウ直売所として登録してあるから協定に関係なく安くできるの
だそうだ。なんか反則っぽいが、こちらとしては安いに越したことはない。とりあえず、試食させてもらうこ
とにした。たわわに実ったブドウを間近に見るのは初めてだった。しかも巨峰。巨峰は甘くておいしく、皆
一房以上試食した。聞くところによると自分で好きなブドウを選べるブド
ウ狩りはあまり無いのだとか。木によって味が違うことや、おいしいブド
ウの見分け方などを教わって、ブドウ狩りを楽しんだ。ちなみにおいし
いブドウとは実が黒っぽく熟しているもので、赤紫の実が混じっている
ものはまだ早いのだそうだ。全員がそこのブドウ園のブドウを買った。
私も巨峰1キロを買い、ついでに100円のピーマンとナスを買い、半分
ずつ山分けした。                                       ブドウ園の巨峰

その後、ブドウ園までタクシーを呼び、塩山駅へ。タクシーの運転手さんによると最近はインターネットで
ブドウ園を調べて、行くブドウ園を指定する客が多く、運転手さんが案内することは少なくなったそうだ。
私たちは下調べしなかったおかげで安くておいしいブドウにありつけた。やはり旅は行き当たりばったり
の部分がある方が楽しい。

山歩きはいつも花に偏りがちになってしまうが、チョウ、キノコ、ブドウなどいろいろ楽しめ、充実した1日
だった。

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