神奈川県自然環境保全センター
2001年9月8日(土)     バス  →徒歩
愛甲石田駅、本厚木駅、伊勢原駅のいずれか馬場リハビリ入口→神奈川県自然環境保全センター

自然環境保全センターは、小田急線本厚木駅、愛甲石田駅、伊勢原駅から七沢温泉方面のバスに乗
り、馬場リハビリ入口で下車、徒歩5分のところにある。私は近所なので自宅から自転車で30分。ここ半
年くらい自転車にあまり乗っていないので、坂道が応えた。

今回は観察会に参加するのが目的。観察会は第2,4土曜日と毎日曜日。午後1時からで、予約は要らず
無料。解説員はボランティアの方で5、6人いたような。主に解説をしていたのは2人で、他の人たちはル
ーペや図鑑を貸してくれたりして補助にまわっていた。参加者は親子孫の家族連れとナンバンギセルを
見にやってきたという中年女性グループと母子でやってきたという男性などがいて全部で10人くらいだっ
た。

まず、裏門のクスノキとポプラが並んで植えられているところへ行って、解説員が参加者に何が違うと思
うか質問する。
葉の形が違う、枝の出方が違う、常緑樹と落葉樹などという答えが返ってくる。
解説員に言われて葉のゆれ方の違いをみる。クスノキの葉はあまり揺れないのにポプラはひらひらと揺
れている。、近づいて葉を比べてみる。ポプラの方が葉柄が長くて平べったくなっていて揺れやすい形に
なっていた。後はクスノキの葉のにおいをかいで、樟脳のにおいだという解説。木の名前はもちろん最
初から教えず最後に伝えていた。私はポプラの木が分からなかった。まじまじと見たこと無かったし。

自然観察園へ向かう途中、道沿いのつる植物を見て、マント群落の解説。マント群落とは、林の周囲や
斜面をマント状に覆うように生育しているつる植物や低木を主とした植物群落である。森林や草原が破
壊された時にも発達し、露出した裸地や斜面を覆い、風の吹き込みや直射日光や大雨などによる土砂
の崩壊を防ぐ役割がある。道沿いのマント群落はまさに木を切って道路が作られた後に発達し、森林と
道路の間の緩衝帯になっているのである。

観察園へ下りる階段のところで、シオデやカニクサの説明あり。シオデはつる植物で早春の新芽を山菜
として食べるそうである。カニクサはシダ植物でつる状に木に巻きついていた。葉のどこまでを一枚と数
えるのかという単葉と複葉の話になったが、カニクサの場合全体が一枚の葉なのだそう。階段の周辺に
はコナラの実が枝ごと落ちている。解説員の「落ちた枝に切り口をよく見て下さい。これは誰が切ったの
でしょう?」という奇妙な質問。切り口はまっすぐ綺麗に切られていた。次に「実をよく見てください。何か
気付くことは無いですか?」と聞かれたので、「あっ、孔が空いてる。」
と答えると「そうそう。」と言って解説が始まった。小さめのフィールド図
鑑を各種小さなバッグに入れた解説員が図鑑を見せながら、コナラシ
ギゾウムシかハイイロチョッキリという虫が口で孔を開けて、産卵管を
突っ込んで卵を産み、枝を切り落としたのだということを教えてくれた。
                     
                                                                                                 
    孔の開いたコナラの実

歩く途中、見つけたアブラゼミの羽化後の殻からセミの見分け方の解説。触覚の節の下から三番目が
太いのがアブラゼミなのだそうだ。裏返しにして見ると産卵管の有無で雌雄の区別もつくそうだ。

湿生植物園の方へ降り、歩いていると山側の植物にクモの巣にひっかかった、薄黄色の木の芽のよう
なものがあった。実はそれはオナガグモだった。体長1.5cmほど。残念ながら小さすぎて撮影失敗。
周囲にはヌスビトハギ、ミズヒキ、ヤブラン、ゲンノショウコなどの花が咲いていた。カツラの実を見た
が、ちいさなバナナのような実だった。湿生植物園ではタコノアシが花を付けていた。

                                                                
                                   
カツラ                                            タコノアシ

その後、ナンバンギセルを見に行った。ナンバンギセルと言えば、ススキといっしょに生えているイメー
ジだったが、ここのナンバンギセルはミョウガに寄生していた。
林の中の観察路を通る途中で、りっぱなツチアケビを見た。こんなに赤くて目立つのか。初めて見た。
広場に出て、観察会終了。ちょうど出口の前で農産物をおばさんが売っていた。オクラの花が売ってい
て、珍しいので嬉々として買っている人がいた。

                                                             
                                         ナンバンギセル                               ツチアケビ

観察会なので、ついて行かなければならず、満足に写真を撮れなかったので、写真を撮りにまた同じ道
をたどった。すると、さっきは名前しか聞けなかったエサキモンキツノカメムシを見つけた。ハート型の紋
のついたきれいなカメムシだ。キリギリスの仲間のアシグロツユムシも見つけた。ナンバンギセルの所
まで行って写真を撮ろうとすると雨が降ってきた。傘をさして何枚か写真を撮って足早に戻った。

                                                                 
                           
エサキモンキツノカメムシ                         アシグロツユムシ

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