やどりき水源林
2002年6月16日(日)     車 →徒歩
松田駅やどりき水源林(小田急線新松田駅から寄(やどりき)行きのバス終点下車後、寄大橋まで徒歩)

JR松田駅に集合し、車でやどりき水源林に向かう。やどりき水源林とは、神奈川県が所有する足柄上
郡松田町寄(やどりき)に位置する約529haの森林で、森林体験の場となっている。
かながわ森林インストラクターのうち水源の森案内人として登録した人の研修会が行われた。私は勉強
のため、参加させてもらうことにした。毎週日曜日の午後から観察会を行い、観察会がてら定点観測も
行うという。観察会は予約なしで、当日参加できる。観察会の目的は周辺に遊びに来ている人に気軽に
参加してもらって、水源の森のことを知ってもらうというもの。まだ、試行錯誤の状態で、新たな観察会
のメニューとして水生昆虫と土壌動物を取り上げ、研修会でやってみようということになった。最終的に
はメンバー皆が観察会を開けるようになるのが目的。午前中は水生昆虫。寄沢の河原へ移動途中、イ
ヌツゲの白い花を見る。クマシデはもう実をつけていて、房になった実はピンクがかっていた。フサザク
ラやウツギ、ハナイカダも実をつけていた。沢に出て沢を覗き込むと、カジカガエルがいた。オタマジャク
シも泳いでいたが、カジカガエルのものだろうか?

                                  
               イヌツゲ             クマシデ            フサザクラ           ハナイカダ

水生昆虫の採り方は、石をひっくり返し、巻き上がった泥を網ですくう。それを観察しやすいように白い
バットにあけて、虫を探し出してピンセットでシャーレに入れる。カゲロウ、カワゲラ、トビケラ、ヘビトンボ
の幼虫がいた。観察会なので、種の同定まではしなかった。調査を兼ねる場合は持ち帰って同定をす
るそうである。岩にへばりついていたプラナリアもシャーレに入れて、ルーペで観察した。プラナリアの顔
はなかなか愛嬌があっていい。観察会をやると女の子に人気だそうだ。

                 
        カジカガエル       シャーレに入れた虫       カワゲラ(幼虫)       ヘビトンボ(幼虫)

午後からは、土壌動物の観察会。土壌の採取場所に行くまでに辺りを観察しながら歩く。スイカズラの
周りをイチモンジチョウが飛んでいたのでカメラで狙っていたら、卵を産み付け始めた。スイカズラはイ
チモウジチョウの幼虫の食草なのだそうだ。ヤマブキの葉の上に赤く点々とした何かを付けたアリがい
た。赤いのは、寄生したダニだった。こういうのを見るのは初めてだった。

土壌を50cm四方の面積から落ち葉の下5cmくらいまで掘り、ビニル袋に採集。土を持ち帰る途中、水
溜まりで子供のヤマカガシに出会う。首の黄色い幼斑が特徴。動きが速いので何度もシャッターを押
す。水溜まりのオタマジャクシを狙っていたらしい。

                                                            
                     アリ                                ヤマカガシ

持ち帰った土は園芸用の粗いふるいにかけ、見やすいように白いシートを敷いてそこに、土を広げる。
そして、見つけた虫をピンセットまたは吸虫管で吸い取って、回収。しかし、道の近くの土壌が踏み固め
られた場所で土壌を採取したので、土壌動物はあまりいなかった。実際の観察会では、たくさんいない
と子供は飽きるだろう。水生昆虫観察より地味な作業である。集めた虫はエタノールで固定して、観察
をする。
今回は練習ということで、詳しくは見なかったが、ヤスデ、ミミズ、巻き貝、アリ、ヨコエビなどがいた。ヨコ
エビはエタノールにつけると赤くなるのが面白かった。大きめの動くものがたくさんいる土壌だと楽しい
だろう。調査を兼ねた土壌動物観察会を他の場所でやるので、後日報告する予定。

今後の打ち合わせを行った後、植物を観察しながら、周遊歩道Bを歩いた。クサギ、コクサギ、クロモ
ジ、アブラチャン、サンショウ、ヤブニッケイなど臭いのするものは嗅いでみて、解説のポイントも整理。
ムラサキシキブに似たヤブムラサキは葉を触ってみて、手触りの違いで区別する。ヤブムラサキの葉
はビロードのような手触り。紫の花を咲かせていた。クロモジ、アブラチャンは花の季節は見て分かるよ
うになったが、葉だけだと、分からなかった。ミツマタも蛍光黄色の花を咲かせている時期は目につくの
だが、葉が茂るとなんの木だか分からなかった。コアカソが丈が高くなる植物だということを知らなかっ
たが、木質化して2m近くまで伸びていた。ずっと草本だと思っていたのだが、図鑑を見たら小低木と書
いてあった。やどりきのコアカソはシカに食べられたかじり跡がついていた。また、過去にかじられたとこ
ろは細かく枝が出て葉が小さくなるので、樹形から分かる。ヤマブキには実がなっていた。遊歩道の出
口でフタリシズカが実をつけていた。実になったところを見たのは初めてだった。

                                                 
                     ミツマタ                               ヤマブキ                                 フタリシズカ

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